オレはジャズがオシャレだから好きなんじゃなくて
引用元:『BLUE GIANT』 ©小学館
ジャズが、スゲエ熱くてハゲしいから。
だから好きなんだけどな…
いやぁ、カッコいいセリフですね。
ジャズの起源は、黒人奴隷たちが歌ったワークソングや鎮魂歌、聖歌などがブルースのリズムと融合したものと言われています。
しかし、ジャズは熱いだけではありません。クールであったり、ユーモアを含んでいたりして、いろいろな感情を込めて演奏されています。聴き手は、そのエモーショナルなところに、感動したりスイングしたりするのでしょう。
植草甚一さんが、その著書で紹介しているいろいろなジャズを、また聴き比べしましたのでご紹介いたします。前回の記事はこちらをご覧ください。
今回聴いたジャズ
ぼくのソウルサンシャイン
原題:Sunshine of my soul/Jaki Byard
ピアノの音が澄んでいて良いです。そして、うねるようなギター。新しいことを模索するような演奏で、技巧の組み合わせの妙が楽しめます。フリージャズ的な要素も混じっていますが、シリアスにならずリラックスして聴ける範囲です。
とても善良なミス・ナンシー
原題:Good Golly Miss. Nancy/Robert F.Pozer
即興的な音の迫力はあるのだけど、一体感がなく、スイングしていない。音と音の組み合わせを拒否しているようで、聴いていて疲れてしまう音楽です。
ルナ楽団ーー空間の膨張
原題:LUNA Space Swell/Lee Cronbach
オリエンタルムードの曲が、なつかしさを感じさせます。例えば、初めてYMOを聴いたときのような、エキゾチックサウンドとシンセサイザーの融合を思い出します。ルナ楽団としては、このアルバムしかリリースしていないとのこと。
フランケンスタイン
原題:Frankenstein/Arche Shepp
フリージャズです。ホーンが少し強すぎる気がしますが、即興のわりに一体感があり、テーマもちゃんと聞こえてきます。バッキングがずっと同じ調子で、少し退屈してしまいます。
キリマンジャロの娘
原題:Filles de Kilimanjaro/Miles Davis
さすがマイルズだけあって、上手くまとまっています。トランペットは伸びやかで、リラックスできる。逆に言うと、手堅すぎてマイルズっぽくないというか、物足りなさを感じるけれども、上々のアルバムです。
太鼓をたたいているかと思うと、やめている
原題:Now he beats the drum, Now he stops/Chick Corea
直訳のタイトルだと首をひねってしまいますけど、Now he sings, Now he sobsのトリオが織りなす秀逸な曲。とにかくキレのあるピアノに、ミロスラブのベースと息がぴったり合っていて、コンボとしての相性の良さを感じます。
ホワイ・ナット
原題:Why not/Marion Brown
好みの問題ですが、アルトサックスがブローしまくるのはあまり好きではないです。フリージャズやるぞ!って感じはすごくするのだけど、個人技が優れているのに、それで繋いでいるだけのように聴こえてしまい、ちょっと勿体ないです。
以上、例のごとく、あくまで個人の感想です。悪しからず。
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