『インドが変える世界地図』を読んで

働き方

先日、『インドが変える世界地図』(広瀬公己 文集文庫)を読む機会があったので、備忘と感想を書いていきます。

インドで起こる第4次産業革命

現在、AIやIotなどの情報技術分野が世界を変えるという「第4次産業革命」の最中であるといいます。例えば、AIを使って農業分野を改革することで収穫量2倍を目指したり、ブロックチェーン技術を使っての農業生産品の取引公正化によって、第一次産業に従事する人たちの生活水準を引き上げようという動きがあるのです。

インドは、インフラが弱いという経済的弱点を抱えています。それにより、機会や工業化をメインにした第3次産業革命には乗り遅れがちでしたが、情報にはそれまでの巨大なインフラは不要です。むしろ、人材に重きを置いています。

IIT(インド工科大学)は、国際的なIT人材の宝庫であり、人材争奪戦の目玉です。実際、この大学の出身者が作り出したインドのベンチャー企業は多く、ユニコーンになりつつあります。例えば、QR決済のペイティエム、ネット通販のフリップカート、ドックスアップはオンライン診察のベンチャーです。医療インフラの弱点を、オンライン診察で補おうとする目の付け所は、鋭い先見性を持っていると思います。

なぜインドでITなのか

現在のインドの首相は、モディ首相です。彼の強力な指導力のもと、「頭脳立国」を目指し、インドは挑戦をつづけています。

戦前、インドを縛り付けていたカースト制度は、現在でも少なからず影響を残しています。しかし、IT技術者はカースト制度に位置付けられていません。いままで存在しなかった職業だからです。その理由により、多くの若い人たちがIT技術者を目指し、海外で働くことを夢見ているのです。

また、インドには国内産業を守る「スワラジ」の制度があります。ガンディーが英国植民地から独立する際に推奨した制度で、インド労働者を強く守っています。これが、今ではインドの国際競争力を低める原因にもなっているのです。インド産の製品しか使えないならば、グローバル企業が普通に行っている国際的な部品調達ができないため、品質の低いIT機器を使わざる得なかったのです。

モディ首相は、これらのことを変えていこうとしています。

クジャラートモデルという、電力インフラの整備を行って海外企業の誘致をすすめています。規制緩和をし、経済特区をつくり、インドの産業そのものを振興しようとしているのです。

スローガンは「メイク・イン・インディア」です。中国が世界の工場になってように、インドもその方向に進んでいると思わせます。

インドは台風の目になるか

インドのモディ首相はアイデアマンであり、世俗主義の指導者でもあります。

この首相のもと、基盤づくりが進んで、インドは急激に成長を続けていくのはまちがいないと思われます。中国製品、ベトナム製品がすべてインド製品になるのも、あり得ない話ではないでしょう。

しかし、中国も国際状況との調整に苦しんでいるように、インドの周囲にも多くの競合や軍事的な衝突があり、そちらに足をひっぱられる可能性もあります。軍事大国であるインドの軍隊が世界的な脅威と見なされれば、アメリカやロシアなどの大国の干渉は避けられず、すくなからず摩擦が生じるものと思われるからです。

インドの人材、潜在力は莫大です。日本も遠い天竺の国と思っているわけにはいかないでしょう。とりあえず、インドという大海に飛び込んでみる必要があるのではないかと思います。


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