ジャズ聴き比べ、その6

ジャズ

ジャズは音楽でもあり、文化でもあります。表現であることは、間違いないでしょう。

植草甚一さんの本の中には「スクエア」と「ヒップ」という表現が出てきます。

毎日、家と会社を往復して退屈な日常をこなすのがスクエア。アフターアワーを楽しみ、スマートに都会を生きるのがヒップです。ジャズはヒップであるべき、というのがJ.J氏の主張です。

今回聴いた曲

みんなと知り合いになって(”Gittin’ to Know Y’All”/Lester Bowie)

前衛ジャズです。オーケストラが出す音が、人々が会話をしているように聴こえたり、マイクのワウが叫びや怒りのように聴こえてくるように響かせて、なかなか迫力があります。人が突然叫んだりするのは、驚いたりもします。音と音、声と声が協調しあうことはなく、常にぶつかりあい、喧嘩をしているようです。前衛といっても、あまり楽しめない部分があるかなと思います。

婚期をひかえた乙女(”Marring Maiden”/It’s a beautiful day)

ギター、バイオリン、オルガンとなんだかほわほわしていて、とても調子が良いです。カントリー調の歌も入っていて、なんだかほのぼのする。歌詞が聞き取れたらもうすこし深く掘り下げられると思うのだけど。

悪くはないけども、さほど印象にも残らないかな、という感じです。

イラストレーション(”Illustration”)

ちょっと表現が難しいのだけど、70年代の曲というイメージですね。ファンクなのかな?

アフロの人がパンタロンを穿いて歌っているような感じを受けました。合間に入るブラスヒットが、昔っぽく聴こえる原因かもしれません。

アンブレラズ(”Umbrellas”/Weather Report)

ミロスラフ・ヴィトラスのベースラインがかっこいいです。ショーターのサックスが入ると、とたんにウェザーリポートの曲になるから不思議。さらに不思議なのは、唐突な終わり方です。なんとなく消化不良な一曲に思えますが、聴いたソースのせいかもしれません。

ウェザーレポートというと、やはりベースはジャコってイメージもあるのですが、これは甲乙つけがたいですよね。

アワ・マン・イン・パリ(”Our man in Paris”/Dexter Gordon)

これこそジャズ。デクスター・ゴードンはもっと歳をとってからの録音は聞いたことありますけど、若いころはこんなに艶やかで伸びのあるテナーだったんですね。

頭の回転の良い人と、フランクに話をしているような心地よさがあります。気の利いたコミュニケーションができている、というような。

ピアノはバド・パウエルとなっていますが、本当かな?こんなにバッキングに徹することができるようなプレイヤーだったんですね。もっと前に出てくると思ってました。それとも、最盛期を過ぎたころのレコーディングなのかもしれない。

力の塔(”The Tower of Power!”/Dexter Gordon)

このアルバムも、やっぱり王道ジャズのように感じてしまいます。前衛やフリージャズを先に聴いていたから、なおのことなのかもしれませんが。

テナーの音は大人の響きで、安心して聴ける雰囲気を醸し出しています。

60年代末から、70年代にかけては新しいことを挑戦している、ジャズの変革期ですけども、こういう成熟したジャズだってとても必要なんだ、と改めて思わせてくれます。


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