仕事のセンスとソ連作戦術

働き方

『「仕事ができる」とはどういうことか?』(楠木建・山口周 宝島社)を読みましたので備忘と考察を記載していきます。

スキルとセンス

まず、仕事を遂行するのに必要な要素として、スキルセンスに分けて考えます。

スキルとは文字通り、技術的な能力のことです。その仕事をこなすために必要能力、例えば財務経理の知識だったり、コンピュータリテラシーが必須というような、具体的なものになります。

もうひとつのセンスは抽象的な領域にあるもので、時間的な奥行きやストーリー性を持ったものであるということです。主に直観や好き嫌いの判断に属していて、具体的に表現するのは難しいものです。

センスはなぜ必要か

そのセンスがどうして必要かというと、スキルだけでは競争戦略を立てられないからです。

スキルはどうしても陳腐化します。旬のスキルとしてAIやIoTがもてはやされても、いずれコモディティ化して、他の競合と差別化できなくなります。

センスは、企業に長期的な利益をもたらすためにどのようにすればいいかを考えることです。どうすれば競合との差別化を図れるか、また、競合相手のいない領域を目指など、ビジネスにたいして意味を見出すことです。

日本の今までの生産業はスキル重視でやってこれました。問題が解決の需要を上回っていたからです。しかし、現在にあっては、問題と解決の需要が逆転しているので、問題を見つけ出し、需要を生むという能力、センスが問われることになりました。社会の大きな課題にたいしてスキルを使って解決策を見つけ出すビジネス手法をディープテックと言いますが、ここにはセンスが必要というわけです。

センスを身に着けるには

センスは後天的に身に着けることができます。訓練することにより、自身のコンピテンシーが鍛えられるのです。コンピテンシーとは、職務やビジネスの環境と、得たい結果を結びつける個人的な特性ということですが、潤滑油のように働き、よりよいリターンをもたらす性格といったものです。「この人なら任せて大丈夫」という、信頼性をもたらす人徳のようなものと理解しています。

そして、センスには時間的な順列で考えられる、ストーリー性が備わっています。本書に出ていた例でいうと、日本マクドナルドの経営悪化を立て直した経営手腕が非常にセンスに富んでいるという評価を受けています。まずはAという手法を実施し、次にB、Cと手を打っていきます。最終的に得たいDというリターンのためにどのような手順でやるべきかを時間的な順列性でもってプランして実施できる能力なのです。

ソビエト軍の作戦術は戦略的センスから生まれた

この、最終的なリターンを得るために次々と順列性をもって手を打っていくという部分に、『独ソ戦』で知った、ソビエト軍の「作戦術」が重なりました。

局地的になりがちな作成を、全体を見通して、時間順に実施して敵を追い詰めていくという作戦術には、戦略的なセンスが必要になってきます。経営も同じように全体の利益が出るように俯瞰的に見て手順を打っていくことが重要になってくるのです。これはスキルの領域ではなく、センスになってくるということで納得しました。

スキルは「アウトサイド・イン」であり、ある問題に対して解決策を外側から取り込む手法です。センスは「インサイド・アウト」であり、自分なりのロジック、仮説、ストーリーに沿って必要なスキルがあれば必要なときだけ入手すればいいことになります。問題への解決方法が主体的であるからこそ、「戦略的」なのと言えるのではないでしょうか。


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