新型ウィルスが流行ると、必ず引き合いに出されるのがスペイン風邪でしょう。実際、世界史とかでは取り上げれることは少ない割には知名度が高いのは、SARSが流行ったり、エボラウィルスが猛威を振るったときなどに、前例として報道されるからに違いないと思っています。
スペイン風邪とは
スペイン風邪は、インフルエンザの亜種であり、1918年~1919年に猛威を振るい、約5000万人から1億人の人命を奪ったそうです。これも、当時の特殊な状況によるものですから、統計的には正しい数はとりようがないのでしょう。
当時の状況というのは、いうまでもなく、第一次世界大戦が行われていたことによります。各国は、謎のウイルスで兵士や市民が死んでいることを秘匿しました。それにより、被害が拡大したという説もあります。
スペイン風邪は、ヨーロッパが発祥とも、中国から来たともいわれている謎のウィルスです。当時は世界戦争の真っただ中であり、各植民地から兵士や作業員をヨーロッパに連れてきていますから、一時的に民族のるつぼ状態になっていました。したがって、中国ではさほど害のなかったウィルスが、ヨーロッパにやってきて、抗体のない人々に感染したということもあり得る話です。
このスペイン風邪の特徴は、感染力がとにかく強かったことと、致死性が落ちなかったことにあります。第一次世界大戦で、市民は物資が不足していて栄養不足だし、兵士は塹壕という、不潔で過密なところに閉じ込められていたので、感染するのは無理もありません。
ところが、致死性となるとちょっと話が違ってきます。ウィルスは宿主が早く死んでしまうと自分の子孫を残しにくくなるので、あまり簡単には殺さないはずです。なのに、スペイン風邪ではそのようなマイルドになっていく過程は見られずに、発病したら死ぬ確率が高かったようです。
宿主を殺し、自分も死ぬことで、種としての有利な面があったのかもしれません。毒性を抑えずに宿主を早く殺すことで、人間以外の宿主を探していたのでしょうか。
ウィルスが人間を狙う理由

70億人いる人間は、細胞や常在菌の塊であり、動きまわることができるわけで、ウィルスからすれば魅力的な市場になりつつあるでしょう。グローバル化により、飛行機や船で別の大陸まで移動できるし、自分にあった宿主を探し出せる可能性も高くなります。
その反面、グローバル化によって、抗体を持った人たちが増える可能性もあるので、これは競争的な面もあるのです。まあ、菌の変化の速度に人間がついていけるとはとても思えませんが、それでも「民族主義」や「純血主義」を唱えて隔絶しているような集団は、確実に弱いと言えるでしょう。
貧困層はケミカルまみれにむしろ護られる?
ところで、いまの都市部の人たちは、農薬や保存剤などのケミカルにまみれたものを食べていて、これが体に濃縮されています。土葬にしたときに、これらの化学薬品の効果でいつまでも腐らない「ケミカルミイラ」現象が起こるのです。
こうしたケミカルなものを食べざる得ない、貧困層から中間層の人たちは、ウィルスにとっては住みにくい宿主なのではないでしょうか。むしろ、無農薬野菜や化学肥料を使わないものを好む富裕層にこそ、感染しやすいのかもしれません。
スペイン風邪のおかげで、第一次世界大戦が早く収束したように、富裕層を狙って感染するウィルスなんてのがあったら、経済戦争や貧困問題が早く収束したという功績を、後代の研究者が書き記すかもしれませんね。
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