カラスに呼ばれると、ついていきたくなる

リラックス

大日本天狗党絵詞』は、黒田硫黄によって1994年に連載されていたマンガです。もういまから26年も前のマンガですねー。歳をとるって怖いことだと改めて思います。

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『大日本天狗党絵詞』はどんなマンガだったか

このマンガに描かれている「天狗」とは、いわゆる赤い顔で鼻の長い天狗ではありません。本体はカラスの形をしていて、人間の身体の中に入り普段は人間の世界の中に溶け込んで暮らしています。口からカラスの本体だけ抜け出す「魂抜け」というもので、カラスの姿になることができるのです。

人語を理解し、天狗としての社会を築こうとするカラス=天狗たちのストーリーです。

主人公は、幼いころに天狗にさらわれて、天狗に育てられた人間の女性シノブです。天狗になれず、人間の社会にも溶け込むことができない自分の存在に疑問を感じるようになっていきます。

一方、天狗たちは、天狗による天狗のための社会の構築のために「大日本天狗党」をつくり、天狗の権威を復権させることを思いつきます。空中に要塞のような建物を浮かべたり、伝説の天狗を呼び寄せたりと、いろいろと暗躍し始めます。

マンガとしては当時は斬新なものでした。絵が荒々しいのに新鮮であり、ストーリーも天才にしか思いつかないのではないかと思うようなものでした。いまでは、似たようなものがあるのでしょうけど、26年前のマンガであれば、エポックメイキングなものを感じるでしょう。

面白さのほかに、なんとなく不安を感じる内容なのです。天狗がカラスだとしたら、あなたの周りにいるカラスたちは、じつは人間を超越した存在であるかもしれません。カラスは昔から、天の神々の使いとして信仰されている存在でもあります。サッカー日本代表のマーク、八咫烏がそれです。

人間と違う知能やネットワークを持っている存在が、じつは身近の鳥だったらどうなるか、というテーマも持っているのです。このテーマでは、けっこう昔からB級ホラー映画のテーマなんかにも使われてはいるのですけど、身近にいて、結構巨大な黒い鳥であるカラスは、畏怖や不安を感じさせるには絶好な存在だと思います。

天狗に呼ばれたら着いて行きたくなる心理

マンガの主人公のシノブは、幼いころに「師匠」という天狗に着いて来いと誘われて、天狗の世界に入ることになります。昔でいう、神隠しのようなものです。

カラスが実は神の変身した姿であり、たまに気に入った人間を誘い込むというシチュエーションは、太宰治の『竹青』にもみることができます。

もし自分が神隠しのようなものに誘われて選択をさせられたら、どうするでしょう。きっと、現在の自分を捨てて、神秘の世界に入っていきたいと思うのではないか、と考えるのです。これは、人に拠るところはあるでしょう。例えば、家庭を持ったばっかりで、妻や子供たちのことを考えると頑張れるというような人。例えば、大きな成功を掴んだばかりで、これから事業を拡大しようと野望を燃やしているような人。こんな人たちは、現実にぴったりと足を着けている人たちでしょうから、神秘なものにふらふらと誘われても、着いて行かないでしょう。

しかし、多少なりとも不満を持っていたり、現実に疲れて嫌になっている人なんかは「それもいいかも…」と、思ってしまうかもしれません。これは、詐欺や麻薬なんかの誘導部分にそっくりで、行ってみれば弱った人間ほどかかりやすいと言えるでしょう。

カラスにカモにされる、というと、洒落にしても出来が悪いですね。

恐竜が絶滅せずに進化していたらきっと…

チコちゃんに教えてもらったところによると、鳥は恐竜なのだそうです。

6500万年前、ユカタン半島に落ちた隕石によってほぼ絶滅(K-Pg境界)した恐竜の生き残りの子孫が鳥です。生物学的には、双弓類という生物の種になります。気嚢システムという呼吸の仕組みが優れていたため、低酸素世界でも繁栄し続けることができたのです。

そんな、一億年も前から存在している生物が、知能を持って進化していないとは言えないのではないかと思ってしまいます。もし、隕石の衝突という、恐竜のほぼ全滅という出来事がなければ、人類に近い進化を遂げていたのかもしれませんよね。

クロノトリガー」というこれも昔のゲームですが、このゲームのなかに確か、恐竜人という種族が敵として出てきたと思います。人類のように進化し、2足歩行で文明を持った恐竜たちでした。収斂進化からすると、あり得ない話ではありませんよね。

これが現代に合わせた形で現れたとしたら、きっと知能とネットワークを持ったカラスのような存在なのだと思います。なんとなく、カラスに見られているようなそんな気持ちになるのです。

カラスが鳴く声のパターンは複数あって、それぞれ意味をもって仲間とコミュニケーションしているといいます。もし、人間の言葉を理解していて、見込みのありそうな人間を見つけては、神隠しのようにさらってしまおうとしているとしたら、どうでしょうね。

なんとなく、カラスの生活もいいかな、と思う自分はきっと疲れているのでしょう。


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