古代人類は「腐肉漁り」だったのか?

リラックス

食性での分類で、肉食動物は「プレデター」と「スカベンジャー」に分けられます。前者は、狩りをしてその動物を食べるハンターであり、後者は、プレデターが食べ残した死体や、自然死した動物の肉を食べるという「腐肉漁り」というものです。

古代の人類の祖先は、「腐肉漁り」であったという学説が、2004年に発表されています。

古代人類が腐肉漁りとして進化させたもの

意外なことに、人間は大型動物のなかで一番、長距離走に向いている動物です。それは、汗をかけるように全身に汗腺を持つことです。汗をかくことで、走る際に生まれた熱を気化熱で早く下げることができます。

汗をかくことができる動物はいますが、全身にまで発達させたような動物は少ないです。例えば、犬は汗腺を持たないために口を開け、舌を出して温度を下げています。犬は人間よりも速く走れますが、長くは走れないのです。

この長距離を走って移動できる能力は、腐肉を他の競争者よりも早く発見できることに有効であるということです。先に死体を確保するために汗をかけるようにした、というのは意外な意見ですが、爪やクチバシなどの武器を持たない人間にとっては、確かに必要なのかもしれないという納得感があります。

さらに、アキレス腱を発達させたのも腐肉を先に得るための手段でした。走るのに脚力がいるのはもちろんですが、視力という、人類最大の武器を利用するためでもあります。

樹冠で暮らしていた人類の祖先が、草原に降りてきたときに真っ先に利用しようとしたのは、その優れた視力です。立体視ができるように、目が両方とも顔の前についており、眼底の裏には骨がなく、視神経が集中した視野を持っています。目が自由に動きかつ視野を集中させて立体的にものを見ることができるのです。もともとは、木から木へ飛び移り、果実を得るために発達した視力ですが、草原に降り立ったとき、立ち上がってその視力で周囲の状況を確認することが必要だったのです。

たとえば、魚や鳥、馬などのように目が顔の横についていれば、視野が広く背後にいる敵も感知できます。しかし、上記の理由により視界を顔の前に固定した人類は、周りを見渡せないと背後の敵にやられてしまうかもしれません。立ち上がって視野を高くし、周囲を確認することが身を護ることであったのです。

アキレス腱を発達させ、立つこと走ることが得意に進化した人類が、その優れた視力で腐肉を真っ先に見つけることができたとしても、確かに不思議ではありませんね。

人類が好んだ部位

腐肉漁りが主な食の手段であった頃の人類は、死体の中でも栄養価の高い骨髄を好んで食べていたそうです。骨髄には造血細胞があります。重要な部位なので、体外から摂取するのが効果的なのです。ハイエナなどのスカベンジャーも、骨髄を好み、骨をかみ砕くためのあごの力を強くする進化をしてきました。

古代人類も、腸骨や肋骨を砕くために、親指の力を強化するという進化をしたとの説もあります。これは本当かどうかは分かりませんが、確かにチンパンジーなどの類人猿は、握力が強く、カニバリズムも行いますね。そこからの発想かもしれません。

進化といえば、パンダも笹を食べるためにあごの力と「6本目の指」を進化させてきました。細くて滑りやすい笹を持ちやすくするために、手のひらに肉の盛り上がった部分ができました。パンダが丸っこくてかわいい顔をしているのは、固い笹を咀嚼するためにあごの力が発達して丸くなったのです。人間の進化の過程に似ていますね。

豚骨ラーメンは人類の叡智

骨髄にそんなに栄養があるということは、その骨を煮出してあますところなくスープを取る調理法は理にかなっているのです。鶏ガラスープや、豚骨スープなんかは、栄養価が高いと言えるでしょう。

人類は、現代から遡って数万年前ほどから農耕をはじめ、定住を始めます。それまでは、採取や狩猟で生活していたのが一変するのです。その農耕で作った小麦や稲が人類を飢餓から救い人口を爆発的に増えるきっかけになります。

あなたがこれから食べようとする、一杯の豚骨ラーメンには、古代人類が腐肉漁りであった時代の歴史と、農耕により小麦を栽培して小麦粉をつくり、食べやすいよう麺に加工してきた叡智が詰まっているのです。ただ空腹を満たすためだけの食事として、豚骨ラーメンを食べるのは、もったいないような気がしてきませんか。


いつも読んでいただいてありがとうございます。クリックしていただければ励みになります。いつも皆さまがリラックスしていられるように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました