もし、地球の表面からミツバチが消え去ったら、人間は4年も生きてはいけないでしょう。どのようなミツバチも、どのような受粉も、どのような植物も、どのような動物も、どのような人も。
引用元:wikipedia
上記の言葉は、ミツバチの大量減少についての映画『ハプニング』(2008、アメリカ)で引用されている言葉で、アインシュタインの言葉の引用ということになっています。しかしWikipediaではどこにもそのような事実がなく、都市伝説であると断じています。
ミツバチの大量減少

ミツバチの大量減少は、実際に発生しています。蜂群崩壊症候群(CCD:Colony Collapse Disorder)と呼ばれています。非常に不思議な現象で、ミツバチの働きバチの成虫が少なくなる、いなくなるということです。巣自体は放棄されず女王バチも生存しているので、群れが移動しかのではなく、ミツバチの数だけが減少したことを示しています。
原因は不明です。農薬の影響や遺伝子組み換え植物の影響、ミツバチに感染する菌や感染症といった説や、電磁波の放射による影響(携帯電話の基地局)も挙げられてます。どれも研究が進んでいますが、これと言って決定づけるような原因はまだ未確定です。
ミツバチが少なくなると、ミツバチに受粉を依存している植物には打撃があります。アーモンド、桃、サクランボ、スイカ、メロンなどがそのようです。しかし、ミツバチに依存しない植物には影響がなく、自然のものは、たとえミツバチがいなくなっても他の動物、昆虫が代替をするという仕組みになっていくようです。それでも、花を訪問して回る昆虫は少なく、ミツバチのように大量に群れで受粉を期待できるような昆虫はすくないと思われます。
植物は生存戦略を変更する
植物がミツバチに依存できなくなると、どのようになるでしょうか。他の昆虫や動物が好むような色・匂い・味といったようなものに変化していくか、または受粉の方法自体を昆虫媒体から別の媒体に乗り換えるといった変化が顕著になるかもしれません。
スギの木のように、風で花粉を飛ばす変化種が有利になれば、そのように進化していくでしょう。地球の温暖化が進んで、突風や豪雨といったものが使えると分かればそれを利用するでしょうし、いままで熱帯にしか生存できなかった動物が北のほうまで進出してくればその動物に乗り換えます。
農業はテクノロジーを使って乗り越えようとするならば、受粉用の機械や、受粉専門にやる昆虫を作り出そうとするかもしれませんね。自然の淘汰を考えると、ミツバチとともに滅亡する種が出てくるのもおかしくないでしょう。コーヒーやバナナなど、人工の栽培手法が確立できているものは、人間に依存していると言えるし、逆にいえばすでに自然世界では絶滅種でもあります。
風媒体による受粉植物が増えると
風媒体で受粉する戦略に切り替えた場合、スギ花粉症のようなアレルギーの原因となる植物が増えるかもしれません。ブタクサやヒノキなどに加え、サクラやナスなんかで花粉症になるようだと厄介ですね。
花粉症の治療薬を開発する製薬会社などは潤うかもしれませんが、世界的には、いろいろな植物花粉でのアレルギーテストをしなければならなくなるので、財政的に対策が厳しいということも出てくるでしょう。道端のタンポポなんかでアレルギーになったら、なかなか防げそうにありません。
ただし、ミツバチを触媒にしない受粉で農作物が収穫できるようになるのは利益が大きいでしょうね。ドローンを使った農薬散布や、IoTを駆使した農家はいまのところまだ利益を出すところまでは行っていないようですが、風媒体に遺伝子改造した作物が生まれるということは可能性がありそうな気がします。
なんにせよ、ミツバチの数がもとのように戻ってくれれば一番安心です。ミツバチの減少は1872年にも報告されているとのことなので、単になにか自然現象の波があるのかもしれません。
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