『バーサーカー皆殺し軍団』を紹介したいです

ホビー

管理人が中学生のころに読んだこの『バーサーカー皆殺し軍団』。タイトルは暴力的ですけど、実は知的な攻防を描いたスリリングな小説なのです。いまは絶版になっているかもしれませんが、面白い小説なのでつい最近まで何度も思い出しては読み返していました。こちらをネタバレありで紹介していきたいと思いますので、以下注意してご覧ください。

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バーサーカーシリーズとは

バーサーカーという単語が有名になったのは、おそらくファミコンのRPGあたりからでしょう。そもそもは、熊の毛皮(ベアスキン)をかぶった狂戦士のことで、自らの死もいとわずに殺戮と破壊に特化したような兵士たちのことです。

このバーサーカーシリーズは、フレッド・セイバーへ―ゲンというアメリカのSF作家の作品群です。ストーリー中で殺戮を行うのは人間ではありません。機械(ロボット)なのです。

遥か昔に人間と同じような進化をしていた超古代惑星文明が、戦争のために人類を無差別に殺戮するようにプログラムした機械たちを作りました。その文明はとっくの昔に滅んでしまいましたが、自己再生・拡大能力をも持っていた殺戮機械たちは生き残り、人間を殺す機会を待つようになります。やがて、恒星間移動をできるほど進化した人類が宇宙に勢力を拡大していったときに、この殺戮機械たちと不幸な出会いをすることになります。人間を殺すために作られた機械は「バーサーカー」と呼ばれ、人類は生き残りをかけてバーサーカーと死闘を繰り返すことになったのです。

もともとは『無思考ゲーム』というSF短編のために考えられた背景だったのですが、ここに可能性を見出した出版社はセイバーへ―ゲンにこの設定を生かした作品を書くように勧めます。これがヒットして、バーサーカーシリーズという作品が生まれました。

日本では本格SF作品として扱われています。バーサーカーシリーズで邦訳されたのは『バーサーカー皆殺し軍団』『バーサーカー赤方偏移の仮面』『バーサーカー星のオルフェ』の3冊で、いずれも短編・中編を集めたものです。

『バーサーカー赤方偏移の仮面』では、スターシステムが採られています。前編に登場した人物が、他の短編にも出演しているのです。これがカッコいいのです!世界観と魅力的な登場人物がマッチしていて、狡猾な悪のバーサーカー軍団に、あくまでも「人間」として立ち向かっていく。これが話の軸になっています。

タイムトラベルとバーサーカー軍団

『バーサーカー皆殺し軍団』は、中編を3つ合せたSF小説で、それぞれの話は、繋がっています。バーサーカー軍団が人類が住むとある惑星(地球だろうか?)をターゲットにして人類の滅亡を目指します。それに抗うために人類は全戦力を結集し、バーサーカーと戦いを繰り広げています。そして、この惑星では「タイムトラベル」ができることが話を面白くしています。

つまり、過去においては、近代的な武装もなにも持たない人類はバーサーカーにとって格好の餌食なのです。あの手この手でバーサーカーは過去に機械を送り込み、その惑星の人類の祖先となるようなキーマンを殺して、人類を滅亡させようとします。

人類側も、なにもしないわけではありません。時間軸を見張り、バーサーカーが出現したらすぐに人類側もタイムトラベルを使って抵抗します。そんな緊張感があるスリリングな舞台と、過去に及ぼすタイムパラドックスの影響を最小限にしてどのようにキーマンを守るのかというテーマがいっそうこのSF小説の設定を際立たせています。

バーサーカーが狡猾なところは、機械自体が人類を殺戮をするよりも、人間どおしが殺しあいをするように戦略をシフトしたり、人間にそっくりな機械をつくりできる限り監視の目を逃れようとするなど、あらゆる手段を使ってきます。人類を滅亡させるのが唯一の目的なので、そこがブレないのがバーサーカーの厄介なところなのですね。

タイムトラベルは、原始的な生活をしていた人類がでてくる古代編、バイキングと王国を舞台にした中世編、ガリレオのような世界を変えた偉人を暗殺から守るルネサンス期編と、時代をまたにかけてバーサーカーと人類の死闘が続きます。タイムパラドックスの描写などは若干、甘いところがありますが、本格SF小説としてはハードな方に入るでしょう。

ドローンはバーサーカー化しないのかしら

バーサーカーのような機械は、既に現代では登場しています。イランの石油精製施設を空爆したドローンや、マシンガンを発射しながら自律して人を殺すキャタピラロボット。巡行ミサイルも高度や経路を正確に把握しながら飛行してピンポイントで施設に命中できるようになっています。

もはや、AIを搭載した機械に殺されるのが当たり前の時代になってきたのです。ちょっと前まで、「ターミネータ」なんてSFかと思っていましたが、いまは実現間近でしょう。ボストンダイナミクス社のロボットたちを見ていると、そんなことまで考えてしまいます。

自己修復機能や自律した指令系統を持つ殺戮機械が現れたら、人類の滅亡はキューバ危機よりもヤバいところに来ているということかもしれませんね。


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