ピー・ウィー・ラッセル『Ask Me Now!』

ジャズ

ピー・ウィー・ラッセル(1906-1969)は、ジャズのクラリネット奏者です。ディキシーランド・ジャズの時代に活躍していたというから、その芸歴は古いです。

そのラッセルが、1965年にレコーディングした『Ask Me Now!』というアルバムを紹介したいと思います。

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『Ask Me Now!』

スタンダードをメインにしたアルバムです。タイトルの「Ask Me Now!」は、セロニアス・モンクの曲です。モンクの『ソロモンク』に収められています。モンクの演奏も、もちろんいいのですが、ラッセルの演奏と聞き比べるのが楽しいですね。

このアルバムは、バルブ・トロンボーン奏者のマーシャル・ブラウンとの2管です。トロンボーンのまろやかな音に、ラッセルのクラリネットが絡んできます。クラリネットはのびのびとした音に、たまにピリッとする音を混ぜてきたりと、その演奏は自由自在といった雰囲気。円熟の味なのでしょうか。

Ask Me Now!

いちど聴くと、この演奏が好きになりますね。ラッセルのクラリネットの音は、味わい深く、滋養があるように感じます。曲自体も好きな曲なのでそう思うのかもしれません。ほのぼのとした中、なんとなく切ない。良い余韻を残してくれます。

Some Other Blues

コルトレーンの曲をクラリネットとトロンボーンで吹くと、こういう感じにアレンジされるのか、と膝を叩きたくなる感じです。ボリューム不足は仕方がないのですが、それを補うようなテクニックととぼけた味わいがあります。このアルバムのなかで良いアクセントになっています。

I’d Climb the Highest Mountain

スローバラードで、トロンボーンの眠たげな音と、クラリネットのまろやかな音色の絡み合いが絶妙です。夢見るような、霞がかった風景が見えるようです。とてもリラックスできる曲です。

Calypso Walk

カリプソの曲でもクラリネットという楽器がうまくマッチするのですね。贅沢を言うなら、もう少し音量があってもいいかなと思いますが、管楽器は年齢が出るのかもしれません。夏の終わりの夕方に聴きたい感じです。

ピー・ウィー・ラッセルとはどんなジャズマンだったか

ピー・ウィー・ラッセルは、ジャズ隆盛の初期段階で活躍しました。Pee Wee は「ちび」という意味ですね。あまり良い意味に使われない言葉ですが、芸名にしてしまったのでしょう。有名なジャズ・クラブ、バードランドの司会者だったピー・ウィー・マーケットは、本物の小人でしたが、ラッセルとは異なる由来でしょう。

ビックス・バイダ―べックと共演して地方を演奏して回っていたときに、ビックスから悪い影響をうけてアルコール中毒になってしまいます。若いころはとにかく大酒のみで、それがもとで体を壊してしまい、一時期は引退していました。

奥さんの勧めもあって、酒を減らし、再びジャズの世界にもどってきたのです。周囲からは古臭い演奏しかできないと思われていましたが、最新のフォーム、理論などを取り込み独自の演奏を行いました。『Ask Me Now!』がレコーディングされた時期は、一定の評価をうけていたジャズマンでした。

ジャズというと、どうしてもアルコールや麻薬の話がでてきます。地方の盛り場を巡って演奏する過酷な旅には必要なものだったのでしょう。マイルスもコルトレーンも一時期、麻薬にはまっていたのですから、宗教などの強い意志がなければなかなか誘惑には勝てなかったのではないでしょうか。

感想

アルバムを通して感じるのは、その自由無碍な在り方、飄々とした音色のおもしろさです。円熟の味といっても、脂っこいものではなく、空気のような軽さのなかに、ところどころに渋みを見せます。

ラッセルの全盛期のジャズは、ディキシー、ビッグバンド、スイングといった実用的な音楽でした。時代をとおして演奏していくうちにムダなものが濾過され、面白みのエッセンスが残った。それは、ラッセルの人格をそのまま表現しているようです。

リラックスしたいときには、とてもマッチするアルバムだと思います。気軽に聞けて、重たくない。それでいて、滋養があるので、BGMにするにはもったいない。そんな不思議なアルバムです。

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