日本の捕鯨と私

リラックス

捕鯨を是か非かというのは、難しい問題です。鯨には高い知性があり、絶滅危惧種であるために保護するべきという立場と、昔から捕鯨をして食料や油として利用していたから、捕鯨を限定的に続けるという見方があります。

知性の問題について討論すれば、ダーウィンの進化論論争のように泥沼にはまるでしょう。絶滅危惧の視点から見ると、鯨はある程度増えているようなので獲ってもいいか、という線引きの問題になります。

シーシェパードのように過激な組織が鯨を守るために武装したりする一方で、では牛や豚などの家畜は殺してもいいのかという話になって、こじれますね。ビーガンやクリーンミートの話まで持ってこないと、論争は収まらないでしょう。

捕鯨の歴史

捕鯨について、4・25の日経新聞が特集をしていました。

古い記録では、捕鯨はヨーロッパのバスク地方、ビスケー湾で行われていました。湾に迷い込んできた鯨を獲っていたのでしょう。ノルウェーやアイスランドも捕鯨国として認識されていますので、おもに北極圏に近いところの人々が、海獣を食べて暮らしていることの延長なのでしょう。

日本でも、山口や長崎などで捕鯨が行われていたそうです。一匹獲ると七浦が潤うとして、江戸時代には「鯨長者」なる言葉もできました。いまでも、捕鯨の文化を忘れないように長崎では祭りを行っています。

1950年代、日本は最大の捕鯨国になりました。捕鯨船にのって南極などに向かい、商業捕鯨をしていました。管理人が子供の頃は鯨の缶詰などは普通に売っていましたね。

1987年に、日本は商業捕鯨を一時中断して調査捕鯨に切り替えます。国際捕鯨委員会(IWC)に加盟し、商業捕鯨の正統性を訴えてきたのです。しかし、オーストラリアなどの反捕鯨国からの折り合いはつかず、2018年にIWCを脱退します。商業捕鯨の再開です。

現在は、海洋資源のバランスを考えながらではありますが、日本は捕鯨をしています。鯨の肉を使った料理も食べることができます。昔ほどは水揚げはなく、国際的に非難を浴びているのでしょうが、それでも捕鯨にこだわるのは、なにか意地のようなものがあるのでしょうか。

鯨の利用方法

過去の捕鯨大国は19世紀のアメリカでした。ペリー提督が日本にやってきた理由も、アメリカの捕鯨船の補給基地として日本の港を利用したいという交渉のためでした。

鯨はその体内に膨大な脂を内蔵しています。マッコウクジラは深海まで潜りダイオウイカなどを食べていると言われていますが、そのために頭部の脂をバラストのように使っています。また、その脂の層から強力なエコーを発することで、周囲の様子が分かり、仲間通しのコミュニケーションをとっています。獲物を一時的に麻痺させるような武器としても使っているとも言われます。

大量の獣脂は、機械の潤滑油や燃料として産業の発達に欠かせないものでした。アメリカの捕鯨は大規模なもので、700隻の捕鯨船を持っていました。

やがて、アメリカで油田が見つかり、化石燃料で機械が動くようになると、鯨脂の重要性は急速に薄れていきました。アメリカの捕鯨は下火になり、日本が代わって捕鯨大国になったわけです。

鯨に関わる物語

「スターバックスコーヒー」の名前は、アメリカの捕鯨に由来があるそうです。他にも、メルヴィルの『白鯨』など、捕鯨に関する小説も有名です。

「ピノキオ」にも、おじいさんと一緒に鯨に飲まれてしまうシーンがあります。鯨という設定にしたのはディズニーで、原作では巨大なサメだったようですが。

SFドラマの金字塔、スター・トレックでも鯨がでてきましたね。『スタートレック4故郷への長い道』では、絶滅したザトウクジラを求めて、20世紀にタイムワープして過去に戻って鯨を探すというストーリーです。鯨が宇宙人と交信していたという、なかなかシュールな設定が見られます。

鯨ではないですが、イルカが知性を持っているという話は、ファミコン時代のクソゲーRPG『星をみるひと』にも、そのような設定がありますね。鯨やイルカは脳が発達しているから、人間のような知性を持っているという設定は、昔からあったわけです。ウィリアム・ギブスンの『記憶屋ジョニー』や、アニメ『海のトリトン』でも、イルカは普通に人間と交信できています。

捕鯨を取り上げるならば、『ザ・コーヴ』というドキュメンタリー映画にも触れておかなくてはならないでしょう。こちらは、日本で行われているイルカ漁についてのガチな批判映画なので、上記の物語のようなファンシーなものではありません。

捕鯨に関しての個人的な意見は「どちらでもいい」です。鯨の肉、特に皮のベーコンみたいな食べ物は、子供の頃食べて気持ち悪くなったので、鯨を食べることには執着はないからです。もっとも、おいしければ食べるかと言われれば難しいところですね。大飢饉のときに人肉食を強いられるよりかは、鯨を食べるほうが精神的な敷居は低いように思います。


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