MMT備忘録

働き方

現代貨幣理論(Modern Monetary Theory)の略称

先行理論としては、表券主義(ゲオルク・フリードリヒ・クナップ)、信用貨幣論(アルフレッド・ミッチェル=イネス)、銀行システム論(ハイマン・ミンスキー)など。これらを統合したアプローチ。

税制を政策手段として見なすところは、社会民主主義の考え方に近い。

主張

自国通貨建てで政府債務(財政赤字)を拡大することで、物理的な生産力の上限まで自国経済を拡大させることができる。経済の長期停滞から脱出できる。

政府の財政赤字と家庭の赤字とは同じレベルの話ではない。なぜなら、政府には自国通貨の発行権があるので、自国通貨に関しては支払い不能になることはあり得ない。

(EU圏では、ユーロを採用した国々は、自国貨幣の発行権という特権を手放してしまった。そのため、ギリシャなどではデフォルトが発生した。)

政府の支出の財源として、租税収入を必要としない。租税の目的は、物価の調整のための手段、相続税などの格差是正の再配分の手段などである。

日本は長期に渡り、デフレ・スパイラルに落ち込んでいる。デフレは需要不足であり、民間の投資の抑制となっており、経済成長を阻害する要因になっている。デフレを脱却して、インフレを目標としなくてはならない。需要の過剰は企業や民間に資金が行き渡り、投資が活発になる。経済成長が望まれる。

反論

財政支出の拡大により、金利が急騰し民間の投資が阻害されるのではないか。

貨幣とは債務である。例えば、銀行に預金をすることによって銀行に貨幣が生まれるのではなく、銀行から借り入れすることによって初めて貨幣が生まれる。そして返済をするときに貨幣は消滅する。

政府は貨幣の発行券を保持しているので、国債を発行しても、支払いが不可能(デフォルト)になることはない。国家が貨幣の信用を創出している。

国家の財源は、税収によるのではなく、赤字国債によって調達するべきである。

財政支出を無限に拡大させることで、ハイパーインフレ(制御不能のインフレ)を引き起こすのではないか。

ハイパーインフレは戦争などの非常に特殊な場合にしか発生しない。通常の状態では、マクロ経済の政策内でインフレ率は十分コントロールできるはずである。

また、ハイパーインフレを引き起こすセクターのみに対応するべきである。需給のバランスが崩れているセクターに対して、税制政策によって解決する。金利政策に頼らなくても、その範囲内で対応可能である。

MMT肯定派

ステファニー・ケルトン アメリカ経済学者

ラリー・ランダル・レイ アメリカ経済学者

中野剛志 経済産業省 商務情報政策局 情報技術利用促進課長

問題点

MMTの問題点は、物価水準全体の決定メカニズムにある。

物価水準の財政理論(FTPL)論者(クリストファー・シムズなど)は、ドーマー条件(名目金利よりも名目GDP成長率が高ければ、公債残高の対GDP比率が低下するため、財政破綻は発生しない)と横断性条件(合理的に考えれば、個人は死ぬまでに財産を使い切るはずであり、無駄に残すことはない。この前提が機能している限り、膨張して崩壊するバブルは存在できない)を満たさない政府はデフォルトに陥る可能性を示した。

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