ジャズ聴き比べ、その12

ジャズ

J.J氏こと、植草甚一さんの著作の中で紹介されているジャズを聴き比べしています。植草さんが生でジャズを聴いていたころから、40年以上経っているので、本に記載されている内容はもう古いはずなのですが、その文体は今読んでも古臭さを感じません。文庫版の帯でもうたっていますが、植草さんの、自分が好きなものに対する嗅覚が研ぎ澄まされていたのでしょう。いまでも、「孫氏」や「方丈記」を読んで得られるものが多いのと同じように、古典ともいえる本なのかもしれません。

今回聴いた曲

“Out There”/Eric Dolphy

フリージャズのサックス奏者、エリック・ドルフィのアルバムです。村上春樹さんの本でも紹介されている、ジャケットの絵は独特です。いろいろと試みをしているようで、ベースを弓で弾いてみたり、シーツサウンドのように吹きまくるなど、曲ごとに変化を付けています。3曲めでは、始まり方が陰鬱で不気味です。バスクラリネットのような音がします。全体的に、ジャケットの世界観に調和しているのが面白いところです。

“Charls Mingus Presents Charls Mingus”/Charls Mingus

植草さんは「ミンガスがミンガスを紹介する」と訳しています。面白いタイトルですよね。アルバムの構成もユーモアたっぷりです。冒頭で、ミンガスが聴衆に向かって趣旨を説明し、「グラスをガチャガチャさせたり、拍手をしないでくれ」と警告したりしています。ではライブアルバムなのかというと、実はこの説明はフェイクであり、スタジオ録音されたものなのです。なかなか笑わしてくれます。

ミンガスのリーダーバンドだけあって、ベースがバンドを自由自在にコントロールしているように感じます。テンポや拍もミンガスがしっかりと手綱を握っている感じがします。フリー・ジャズではあるけど、そのコントロールがすばらしいのでまとまりが感じられるのです。

“Lazy Afternoon”/Cecil Taylor and Arche Shepp

全体的に、ややダルい感じの曲かといえば、そうでもない。セシル・テイラーのピアノは音がピリッとしていて粒が感じられる良い音です。シェップのテナー・サックスも要所要所でフリージャズの雰囲気を出してはいますが、突出するようなことはありません。バランスが良いとも言えますが、淡々と進みすぎて迫力に欠ける感じはします。

“Four In One”/Thelonious Monk

ここからモンクの曲が続きます。聴いたのは、1951年録音のクィンテットです。とにかく、メンバーが豪華に感じますね。ピアノはモンク、ミルト・ジャクソンのヴァイヴ、アート・ブレイキーのドラムにサヒブ・シハブのアルトサックスですから。短いながらも、気持ちよく演奏が聴けて、珍しくスイングする感じがします。

“Crepuscule with Nellie”/Thelonious Monk

邦題は「ネリーとのたそがれ」。病床にあった妻ネリーのために、モンクが作曲した曲だと言われています。スローで、なんとなく気落ちするような「黄昏」のイメージですが、ユーモアも入っていて、妻を元気づけようとするモンクの優しさや思いやりが伝わってくるようです。自分がもし病気のときに、こんな曲を贈られたらうれしいだろうな、と思います。

“Humph”/Thelonious Monk

モンクの作曲した曲の中に、こんなに初期のビバップ色の強い曲があるとは知らなかったです。うかつでした。この曲がレコーディングされたのが1947年、そして名盤「Bird And Diz」がリリースされたのが1950年ですから、かなり先取りしていますね。ピアノhやはりモンクが好きですね。ビバップ初期の楽しい一曲ということです。

”Cheryl”/Charie Parker

1947年の録音ですから、若々しい感じがします。マックス・ローチのドラムはしっかりとしていますが、マイルズ・デイビスのトランペットと、バド・パウエルのピアノは少し抑え気味です。それもそのはずで、マイルズ21歳、パウエルが23歳ですから、ほんの駆け出しのときだったのですね。バードだってまだ20代ですけど、堂々と吹いていて、やはり天才は違うなと思います。

“Confirmation”/Charie Parker

こちらは、1953年の録音です。パーカーのアルトサックスはなめらか過ぎて、文句のつけようがありません。そもそも、管理人がバードが好きなので贔屓目もあるのでしょうが、やはりアルトといえば、いまでもバードが一番好きなのです。この録音から2年後の、1955年にバードは34歳で死んでしまいますから、晩年の録音と言っても良いのですが、なにしろ享年34歳ですから、ノリにノッていた時期の録音と言ってもいいくらいです。

Dr. JACKLE/Jackie McLean

冒頭から、コルトレーンのようなシーツサウンドが吹き鳴らされ、隙間なく埋めていきます。こんなに吹きまくれるなんて、そうとうな体力だったのだろうなと思います。録音は1966年、マクレーンが35歳のときですから、脂が乗っていたころでしょう。フリージャズながら、統制がとれていて聴きやすいのは、コンポーザーの腕でしょうね。

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