ジャイアント・キリングと孫子の兵法との類似を抽出してみる

ホビー

ジャイアント・キリング』は、モーニングで連載中の人気サッカーマンガです。弱小のプロサッカーチームが、新監督の指導のもと、生まれ変わるように強くなって、強豪相手に大逆転劇(ジャイアント・キリング)を生み出していきます。小が大を倒すという痛快さと、そのための戦法、戦略などが描き込まれています。

その監督・達海猛の言動が、「孫子」に似ているところがあるな、と思ったので、比較して書き出してみることにしました。孫氏の参考として『使える!「孫子の兵法」』(齋藤孝、PHP新書)を元にしました。

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勝負は戦う前についている~情報戦~

彼れを知り己を知らば、百戦して危うからず」という有名な言葉は、事前の情報戦というものがいかに大切かということを表現しています。春秋戦国時代には、そのような観念がまだ薄かったのです。各国の王の勝手な意思により、戦争という国家の一大事が簡単に始まってしまうのです。負けた国家には、悲惨な運命が待ち受けています。戦争をするのは、最後の手段であり、きっちりと準備してから戦うということを、孫子は強調したかったのでしょう。

達海監督は、戦う相手チームの情報を徹底的に集め、そこから分析をします。自分のチームのメンバーに対しても同じです。その視線は、クラブのフロントやサポーターにまで及びます。それほど膨大な情報を、対戦している最中でも集めて分析し、勝つための方法を探すのです。

負けないための戦いをすることも重要です。「勝つべからずは己れに在るも、勝つべきは敵に在り。故に善なる者は、能く勝つべからざるを為すも、敵をして勝つべからしむることを能わず」。これは、負けないことは自軍でコントロールできることなので、自軍次第だが、勝つことは敵次第なので、コントロールできない。負けないように戦うことは自軍次第ということです。

ジャイアント・キリングのなかでも、達海監督は「サッカーはまず防御から始まる」と言い切っています。攻撃と比べ、防御は自軍でコントロールできることなので、その重要性を説いていると言えるでしょう。

「勢」を味方につける、雰囲気づくりのマネジメント

勢いとはなにかというと、スピードや士気などの雰囲気のことです。どんなに優秀な軍団であっても、慎重すぎて機動性を失ったり、士気が低くて思うように動かなければ、その軍勢の価値はみるみる下がっていきます。孫子は、そのような「勢」を運任せにせず、人間がマネジメントして高めなければいけないと説いています。「善く戦う者は、之に勢を求め、人に責めずして、之が用を為す」。

弱小サッカーチームの監督に就任した当初、監督がもっとも重要視したのは、チームの負け癖を取ることでした。負けることを恐れすぎ、身体か前に出なくなれば、点がとれないのでサッカーでは勝つことができません。拙速であっても、前へ前へとでなければいけないときもあるのです。

フォワードが点を取る士気をたかめれば、ディフェンスもそれにつられて防衛ラインを上げ、ボールがよく前線に渡るようになります。チーム全体が一丸となり、戦える雰囲気が出てくるのです。1点とられれば、2点取り返すくらいのモチベーションがうまれ、選手の一人ひとりが前を向くことができるようになります。

達海監督はそういった個々の「勝ちたい」という意識を高め、チームをまとめることで、リーグの中盤から勝ちを重ねてチームを強くしました。組織において、いかに「勢」のマネジメントが大事なものかが、ここから読み取れます。

虚実をうまく操るための「策」とは

兵の勝ちは実を避けて虚を撃つ」と孫子は説きます。相手の強いところを攻めても勝てないし、たとえ勝ってもこちらもそれなりに被害を受けるのでコスパが悪いのです。「虚」とは弱いところをあわらします。つまり、相手の弱点を突くことで、多少、こちらの分が悪くても、勝つことができるということになります。

サッカーでも全く同じです。達海監督の戦術は、徹底的に相手をこちらのペースに引きずり込み、相手の得意な試合をさせないことです。弱点となるところを予め予測して相手を策によって手玉にとります。その狙いが的中すれが、得点を生むチャンスが出てくるわけです。

弱点を突くためには、多少の博打をうたなければならないこともあります。また、欺瞞によって油断させることも必要です。正攻法出で勝てないチーム力ならば、そのような戦法の柔軟に切り替えるのです。

そこで重要なのは、監督と選手の信頼です。戦術のためには、選手が犠牲になることもあります。その役目をチームの勝利のためと甘んじてうけることができるようになるには、信頼しかありません。達海監督がチームのメンバーをよく観察し、声を掛けるのはそのような絆をうむためです。選手に、自分の殻を破らせることもリーダーの役目として認識している行動だと思います。

孫子は読み方によっては、いろいろな教訓、滋養を引き出せる優れた古典です。人生処世の書、ビジネス書としても人気があるのは頷けるところですね。


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