ジャズの擁護者たち、彼らの功績を称える

ジャズ

ジャズはアメリカ発祥の文化のひとつとなっていますが、そのことが定着するのは、第一次世界大戦のころです。戦地に赴いた黒人兵たちが、彼らの音楽、ブルースから発達したジャズを演奏したことから、世界的に人気が高まっていきました。

そんなジャズでも、はじめのうちは、ほぼレコード会社などに相手にされない低俗な音楽とみなされたり、70年代以降、ロックに押されて下火になったりしました。ジャズが現在の形で人気がありつづけるのは、もちろん優れた演奏によるものですが、その影にはジャズの擁護者、パトロンとなった人たちも多かったのです。

今回は、そんな日陰の功労者たちにスポットを当ててみました。

テディ・ヒル

テディ・ヒルは1920年代には、ルイ・ラッセル楽団に所属していたジャズプレイヤーでした。多彩な楽器、ドラム、クラリネット、サックスを演奏することができた優れたプレイヤーです。

1934年にバンドから独立し、自分のビッグバンドを率いて活躍します。バンドリーダーとしての腕も確かで、ケニー・クラークなどのジャズ・ジャイアントを輩出しています。

1940年代からは、ニューヨークのハーレムにあるジャズクラブ、「ミントンズ・プレイ・ハウス」のマネージャーに就任し、若手ジャズマンに活躍の場を与えることを生業としていました。ミントンズは、ケニー・クラーク、セロニアス・モンク、ディジー・ガレスピーなどの新進気鋭のミュージシャンたちがジャムセッションを行う場になり、やがてこのセッションから「ビバップ」が生まれることになります。

ビバップがいつ生まれたかは実は定かでは有りません。ミントンズで熱い演奏が行われていた頃、アメリカ音楽家協会のストライキ中で、約2年間、レコーディングが行われなかったからです。わずかに、「ミントンハウスのチャーリークリスチャン」という、私的レコーディングがその偉業を残すのみとなっています。

テディ・ヒルという理解者がいたからこそ、ビバップ革命は起こったのです。

パノニカ・ドゥ・コーニグスウォーター

ホレス・シルヴァーの「ニカの夢」、モンクの「パノニカ」など、パノニカ・ドゥ・コーニグスウォーターに捧げられた曲は多くあります。彼女は、ジャズのパトロネスであり、人種差別や貧困に苦しんでいたジャズ・ミュージシャンには救いの女神でありました。

パノニカ、通称「ニカ」は、名門ロスチャイルド家の一員として生まれました。父親が大量に集めていたジャズのレコードを聴いて育ち、ジャズに対する愛情が育まれていきます。

第2次世界大戦中は、勇敢にも反ナチスのレジスタンス運動に身を投じます。戦後、ニューヨークのホテルで一人暮らしをはじめ、ジャズ一辺倒な生活を送ります。彼女が手を差し伸べたジャズミュージシャンは多く、チャーリー・パーカーやセロニアス・モンク、ソニー・ロリンズなどがいます。

白人専用の部屋に黒人を連れ込む彼女の所業を良く思わなかったホテルは、彼女を追い出します。やがて郊外の大きな邸宅をかまえ、そこがジャズミュージシャンたちのたまり場になっていくのです。

ちなみに、ニカは猫も愛していました。数多くの猫が住む彼女の家は「キャットハウス」(隠語では売春宿のことも指す)と呼ばれますが、あいかわらずジャズ・ミュージシャンに対する援助を惜しまなかったといいます。彼女がいなければ、パーカーやモンクの名曲が後世に残ることはなかったかもしれません。

アルフレッド・ライオン

ジャズの名門レーベル「ブルー・ノート」の創始者である、アルフレッド・ライオンは1908年にドイツで生まれました。20歳のときにニューヨークにやってきてジャズを知り、その魅力に取り憑かれ、ついには1939年にジャズ専門のレコーディング会社である、ブルー・ノートと設立するに至るのです。

当初、ジャズは低俗な音楽と扱われており、黒人のミュージシャンたちも人種差別などの問題をかかえていました。ライオンは、彼らをリスペクトし、気持ちよくレコーディングができるように、スタジオを整備したり、ギャランティを上げるなど数々の策を打ち出します。そのような姿勢がジャズ・ミュージシャンたちに支持され、パーカー、ロリンズ、バド・パウエル、マイルス・ディビスなど優れたレコードが生み出されていく原動力になったのです。

リー・モーガンの「サイドワインダー」がヒットして、弱小だったブルーノートは一時的に潤いますが、それでも当時の商取引習慣などから、資金繰りは苦しかったようです。大手の傘下に入るものの、1979年~1985年の間、活動を停止しています。ジャズはあまり儲からないジャンルだったのです。

それでも、ライオンの熱意がブルー・ノートをつくり、名曲を後世に伝える役割を果たしたことは大きい意義があります。彼こそ、ジャズの影の功労者というにふさわしい人物でしょう。

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