暴徒は家電量販店を目指す、「どさくさ」ということ

リラックス

アメリカや南米などの国で暴動が起きると、なぜか暴徒の一部が家電量販店に押し入り、略奪を行うことがままあります。ここには、なにか階級闘争のようなものがあるのかもしれません。日本でも、不安定な時代には米騒動とかありました。なりふり構っていられない場合は、略奪という行為も行われるのです。

しかし、現代における上記のような略奪行為というのは犯罪心理的なものなのでしょう。それこそ、どさくさに紛れてしまえば処罰される危険性も薄いので、普段から欲しかったものを強盗に走ってしまうのでしょう。ある意味、機会論なのかもしれませんね。

ミネイロンの惨劇

ミネイロンの惨劇」というのは、サッカーを知っている人にとっては常識かもしれません。2014年のサッカーワールドカップ、ブラジル大会において、開催国であるブラジルチームが、準決勝でドイツに1-7の大量失点で敗退した試合のことです。国技サッカーのカナリア軍団のサポーターにとって、このような試合は1950年のワールドカップ決勝戦で、ウルグアイに0-6で負けた「マラカナンの惨劇」以来なのだとか。

ドイツがここまで強かった理由は、その徹底した分析と補強にあります。最新のテクノロジーをスポーツ界に持ち込んだのです。選手の動きやパスの起動、シュートの成功率などを、カメラとコンピュータでリアルタイムに分析し、選手のボール保持時間を2.8秒から1.1秒まで短縮させたのだとか。このような、ハイテクなスポーツ分析は特に野球のメジャーリーグで顕著です。『マネーボール』で見せたようなセイバーメトリクスでの分析から一歩進んで、フィールド上の選手やボールの動きを逐一カメラで追い、徹底的に分析するハイテクスポーツと化しています。

ポスト・スポーツを取り入れたドイツに、ブラジルは負けたわけですが、サポーターの怒りは暴動にまで発展しました。選手にブーイングを投げかけたり、国旗を焼いたりするに留まらず、なぜか家電量販店で略奪までやってしまうわけです。この、略奪することの意味が現代の日本人には分かり難い心理なのではないでしょうか。ちょっと昔のことを思い出せば、同じようなことはやってきたはずですが、現代においてはなかなか無いことですね。

どさくさの意味

暴徒がやけくそになって暴れるのは、まあ理解できます。酒に酔っ払って、道端にあるものを破壊したり、火を点けて興奮したりするのも有り得る話でしょう。しかし、略奪となると、もはやその心理は暴徒ではなく、単なるどさくさに紛れた、機会犯罪者の冷めた計算からくるものでしょう。

どさくさ」を、辞書でしらべると、事件や用事で混乱して騒がしい様、取り込んでいる様子、となっています。語源としては、江戸時代に佐渡金山の人夫の人手不足を解消するために、無宿人を狩り集めては問答無用で佐渡金山に送っていたという、博徒狩りの騒々しい様を由来とする説があります。「どさ」は佐渡をひっくり返した隠語、「くさ」は「○○らしい」という意味からきている、というものです。江戸時代の無宿人は、戸籍がないのと同じで、冷遇されていました。そして、佐渡金山はその過酷な労働環境から、人夫は短命だったのです。

最も、江戸時代が始まった1603年に刊行された辞書には、すでに「どさくさ」という言葉が載っていたようなので、上記の説は俗説かもしれません。まあ、混乱している状態を表しているのは間違いなさそうです。

家電を強奪する心理

ブラジル国民が、心の拠り所である国民的スポーツ、サッカーで大敗退をしてしまったときの落胆と怒りは暴動という形で表れるのでしょう。国民性か貧困層の怒りの表現なのかは、分かりかねるところがありますが、ノリで暴れるというのは、日本の群衆にも見受けられるところなので、案外そういうものかもしれません。

皆が暴れている。目抜き通りのショーウィンドウなんかもバキバキに割られていて、発煙筒を燃やしたり、そこらにある車をひっくり返したりと、やりたい放題暴れているときに、ふと、そういえばこの店のあの商品が欲しかったのだということに気がつく人がいるのでしょう。いまはこんなに混乱しているのだから、この騒ぎに乗じてちょっと商品を失敬しても、どうせ捕まらないだろうという機会がやってきたのです。

おそらく、高級なブティックとか銀行などには押し入らないでしょう。家電量販店の商品ならば、それほど高価ではないので、たとえ咎められても罰金を支払うことができるという打算があるように思えます。普通の人が犯罪に走ってしまう心理なんて、そのような機会が巡ってきたときには、結構、軽い気持ちなのです。

これからの都市は、監視カメラによる徹底的な監視社会になると思われます。中国での治安維持の実績と、コストなどを見合わせればそのような方向に進むことは必須です。そうすると、監視カメラにバッチリと強盗の瞬間を撮れれてしまえば、もう言い訳することはできません。これもハイテクには敵わないという、一つの寓話なのかもしれないですね。


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