陶器のかもす暖かさ、磁器のピンとした潔白さ

リラックス

管理人は、陶磁器を見るのが好きです。陶器市などがやっていると、結構、楽しく見ていられます。興味がない人にとって、陶磁器というものはただのコーヒーカップや茶碗でしかないでしょう。しかし、見る人によっては宝物のように見えるのです。

安土桃山時代に、織田信長が茶の湯を独占し、許可制にしました。信長から名器を授けられたものしか、茶会が開けないのです。そして茶碗などの茶道具には、途方も無い値段がつくことになります。褒美として、領地や金よりも茶器を欲しがった武将もいます。これは純粋な茶器の楽しみではなく、出世人としての格式が欲しかったということも言えるでしょう。しかし、陶磁器にはそれだけの価値があった時代もあったのです。

陶器と磁器の違い

陶磁器とひとまとめに言うこともありますが、陶器と磁器は異なるものです。陶器は、いわゆる焼き物であり、粘土を形作って釉薬を掛け、窯で焼くのが一般的です。信楽焼のように、釉薬を掛けないものもあります。レンガや植木鉢などの土器にも釉薬はかけないで、素焼きにします。窯の温度は1000℃から1200℃くらいで焼きます。戦国時代以前は、小さな窯で、低温でしか焼けませんでしたが、朝鮮半島からもたらされた「登り窯」を使い、高温を保ちながら、いちどに大量に焼き物が作成できるようになります。

磁器と陶器の違いは、まずその陶土にあります。磁器は、石英や長石を細かく砕いて原料にします。陶器の粘土と比べると、サラサラしていて形成するのが難しいという特徴があります。また、焼き上げる温度も、1300℃という高温で焼きます。この結果、ガラス質が全体を覆い透明感と光沢のある磁器ができます。吸水性がほどんどなく、硬質の焼き物が磁器なのです。

家にあるコーヒーカップや茶碗、皿などを眺めてみて下さい。薄くて硬そうなものは磁器、厚ぼったくて水を吸いそうなものが陶器です。案外、よく見てみると普段遣いのただの皿であっても違いがあって、そこに愛着を感じたりします。

暖かさを感じる陶器の里

過去に何箇所か、陶器の作成場所に行ったことがあります。まず思い出すのが、益子焼の里です。益子焼は栃木県益子町中心につくられている、比較的新しい焼き物です。もともとは自由に作品をつくりたい陶芸家たちが、益子の周辺に集まってできた焼き物なのです。作られる陶器も自由な感じがして、これが益子焼だ、というものはありません。しかし、多くの陶器を見ていると、スタイルのないのがスタイルなのだなと思え、見分けが付くようになります。作陶の面白さがこもったような陶器が多いです。

佐賀県の唐津には唐津焼があります。こちらのほうは、戦国時代まで遡れる、結構歴史のある焼き物です。特徴としては、灰色の釉薬に素朴な絵付けです。味わい深い感じと、古いスタイルを大切にしているのだなというところがあり、魅力があります。値段はピンキリですけども、驚くほどは高くないというイメージです。高級な磁器、茶器というよりかは、庶民の雑器、民芸であってほしいという感じでした。

沖縄県の壺屋焼も面白いです。門や玄関に飾るシーサーや、石敢当という魔除け石、あとは抱瓶という泡盛をいれておく独特の壺などが味わいぶかいものです。そういう焼き物を見ていると、本土の作品とはまた違った、とても自由で、東南アジアにいるんだなという気分にさせてくれます。

磁器には、張り詰めた感じがある

磁器で有名なのは、なんと言っても有田焼でしょう。本当に、生活の雑器から高級な焼き物、壺などまで、なんでも揃っているという感じです。有田の陶芸館などにいくと、それこそトイレの壁まで有田焼のタイルで作られていて、とても美しいと思いました。陶器には、透明感と硬質な冷たさがあって、ピンと張り詰めているような美しさがあります。いまは多彩な色付がありますが、管理人は、白磁の地に呉須という藍色の顔料だけ使った、ブルーアンドホワイトの焼き物が一番好きです。見ていて、飽きが来ないですから。

同じく佐賀県の伊万里焼の里にも足を運んだことがあります。ちょうど大雪が降ったあとだったので、寒かったことを今でも思い出します。その雪の寒さと静けさが、伊万里焼の白くて硬くて、透明な世界観と非常にマッチしてて、とても良いときに行ったのだなと考えています。伊万里焼も有田焼に似ていますが、どちらかと言うと陶芸家の味わいがよく出るような絵付けや形のものが多かったです。高い作品もあれば、普段遣いできる小皿などもあったので、幾つか買ってきました。

愛媛県の砥部市には、砥部焼という焼き物があります。知名度は、有田や伊万里に比べて低いのですが、陶器市や合羽橋の陶器屋に行くと、よく砥部焼の名前を見ます。生活雑器が中心ですが、他にももいろいろな作品を作っていました。作陶する工程を見学させてもらいましたが、ろくろを回したり、絵付けをしたりする繊細な作業は職人技ならではです。若い人も多かったので、案外、窯の後継者が育っているのかもしれないなと思いました。

生活に密着した陶磁器には、暖かみや美しさを感じたいものです。そのようなお気に入りの器で飲食すると、心が豊かになる気がします。

陶器のような、という比喩表現があります。肌のきれいな人のことですね。スキンケアは、何も女性だけが必要なものではありません。男性で年配の方こそ、肌を大切にしたほうが、なにかと都合がいいのです。茶渋で汚れたカップより、真っ白な器に注がれたコーヒーのほうが美味しそうに思えると一緒です。最近は良いスキンケア製品もあるので、考えてみてもいいのではないかと思います。

【POLA】男性と女性の視点を融合させて生まれた<マージェンス>

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