『トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』知らない人と接する際に

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トーキング・トゥ・ストレンジャーズ』「よく知らない人」について私たちが知っておくべきこと(マルコム・グラッドウェル、光文社)を読んで感想を書きます。ネタバレありですので、興味のある方は本書を読んで下さい。150万部を売った良書です。

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よく知らない人

冒頭、ひとつの事件の描写から始まります。サンドラ・ブランドという黒人女性が、テキサス州ヒューストン近郊で車を運転していると、パトロールしていた警官が彼女の車を追い越し、停止するように求めます。彼女は車を停止させましたが、違反キップを切られるようなことは何もしていませんでした。

サンドラと警官はやりとりをしているうちに、やがて言い争いになります。警官は彼女に車の外に出るよう求めますが、非を認めない彼女はそれを拒絶しました。徐々に感情がエスカレートしていき、警官は応援を呼んで、彼女の身柄を拘束しました。

3日後、彼女は独房の中で自殺します。サンドラは罪を犯したわけではなく、実際に怪しいところもなかったのです。しかし、精神的に参っていた状態だった彼女は絶望し、死を選びました。

車を停止させた警官にも非はありませんでした。犯罪を防止するために車を止め、内見することは効果がある方法とされていました。警官の行ったことは、その役割を忠実に努めただけのものだったのです。

著者は、どうしてサンドラ・ブランドが死に至ったのかということを、多彩な例を挙げて検証していきます。人間社会において、よく知らない人と接するとどのようなことが起きるのかを抽出していくのです。

起こり得る誤解

よく知らない人と接することにより起こることの1つ目として、「透明性の幻想」という事が言われてます。赤の他人については、事前にどんな人物なのかの情報がありません。あったとしても、表情や言葉、仕草などの見た目の判断基準しかないのです。

裁判所における、被疑者の保釈基準のことについて触れています。裁判官は、その被疑者を面と向かって会い、話をすることで、被疑者が保釈しても安全な人間かを判断します。しかし、これを全く面談などの情報のないAIに判定をさせたほうが、間違いが少なかったのです。すなわち、面談することによって判断した基準というのは、間違いだということになります。

そう言っても人間は相手の表情や仕草、目を逸らすかどうかで、他人を判断出来ると信じています。しかしそれは、自分には深い洞察力があり、相手の本質を見抜くことが出来るという誤認識、自分に対する過度な信用に過ぎません。これが「透明性の幻想」です。

表情や仕草などにおいては、そのシチュエーションにふさわしくないイメージの不一致が起こったときに、誤りを犯しやすいのです。嘘をついていないように見せかけて、本当は嘘をついている人のことを見抜けません。または、その逆も有りえます。顔や仕草などの少ない情報では、判断できていないのです。

2つ目の主張は、「デフォルトで信用する」ということです。よく知らない人について、最初から全く信用しないという態度で接することはありません。

社会敵な人間は、相手を疑ってかかることはコストに見合わないことであると知っています。例えば、レジでお金を払う時、店員が言う金額を素直に払っていることが多いでしょう。わざわざ自分で商品の値段を計算して正誤を確認するようなことは、コスパが悪いので、スルーするようにできているのです。これが「デフォルトで信頼する」ということになります。

3つ目は、「文脈の理解不足」です。文脈というと難しいのですが、自殺した人がなぜそのような行動をとったかを例にしてあげています。自殺する人は、自死するという確固たる意思で行動しているわけでは、必ずしもないということです。入水自殺が失敗したから、次は拳銃自殺を試みるというようにはなりません。むしろ、手段がその原因になることが多いのです。

一酸化炭素中毒自殺は、成功率が高い自殺方法であり、手軽にできます。心が弱っているときに、そのような手軽な手段が身近にあると、自殺する可能性が高くなるということです。何が何でも自殺してやろうと手段を選ばずにいるよりも、死にたくなるようなシチュエーションがあると死ぬのは自然かもしれません。しかし、赤の他人の自殺原因については、前者のような理解をする人が大半でしょう。「文脈の理解不足」というのは、そのようなことを指しています。

行き違いの末に起こる悲惨

冒頭で語られたサンドラ・ブランドの自殺までの経緯を考えると、上記の3つの誤解が関係していることが分かります。

彼女の車を停止させた警官は、「デフォルトで信用する」ことを敢えてしないように指示を受けていたのです。どんな些細なことでも、犯罪を未然に防ぐことができるなら、グレーゾーンであっても調査するように指示をうけていました。これが、原因の1つ目になります。

次に、警官はサンドラの態度を怪しいと思いましたが、サンドラは緊張していただけでした。ここに「透明性の幻想」が現れています。何の罪もおかしていないのに警官に止められて、しかも彼女はその場のイメージに合うような行動が取れなかっただけなのに、あたかも犯罪者のように扱われ大きなストレスを抱えました。原意の2つ目です。

3つ目の原因は、サンドラの心が弱っている時期だったことが挙げられます。これは、赤の他人には分からないことですが、心が弱っているときに、逮捕、尋問という大きなストレスを抱えたことは致命傷になりました。結局、ストレスに負け、絶望した彼女は手軽な手段として自殺を選んだのです。彼女がなにも犯罪を犯していないのに、なぜ自殺したかを理解する上では、このような「文脈」を理解することが必要なのです。

本書の構成は、実にスッキリしていてわかりやすい構成になっています。まるで謎解きのように冒頭の伏線が回収されているのです。もちろん、ここまでに至る経緯は、統計学や各種の研究成果の上に述べられていることなので、説得力があります。

よく知らない人と接触することが、どのような問題を引き起こすか。知っておいて損はない、面白い本だと思います。

よく知らない人に印象を良くするには、見た目は大事です。特に働き盛りの男性は、つい外見を疎かにしがちですが、実はよく見られているのです。ニオイケア、スキンケアに力をいれてみてもいいのではないかと思います。

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