『ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン』バップの誕生

ジャズ

『Charlie Christian at Minton’s』は、1941年の音源です。1940年代には、アメリカ音楽連合会がストライキをおこなっており、レコーディングがほとんど行われていませんでした。当時生まれたビバップジャズの音源も、ほぼ残っていないというのが現実です。

そのような中で、この音源はビバップの誕生を記録した貴重なものです。チャーリー・クリスチャンというミュージシャンには、バードやディズ、モンクのように伝説的な逸話が少ないのですが、その演奏を聞くと革新的だったのだなと解ります。

チャーリー・クリスチャン、およびミントンズ・ハウス

1916年生まれのチャーリー・クリスチャンは、ギタリストです。当時、ジャズにおけるギターのポジションは決して恵まれたものではありませんでした。ギターはベースほど音が大きくないので、ソロをとることもできない、リズム楽器の一種だったのです。このギターの音量を改善するために、アンプにつないで音を増幅する試みが行われます。エレキギターの誕生です。クリスチャンは、エレキギターを使ったミュージシャンの元祖です。

ベニー・グッドマン楽団に所属し、日中その仕事を行い、夜はジャムセッションを求めて繁華街に出ます。そのころ、テディ・ヒルがマネージャをしていたミントンズ・ハウズが、若手ミュージシャンの溜まり場になっていました。クリスチャンも、マリファナをやりながら、このジャムに参加して腕をみがきました。ミントンズのハウスピアニストはセロニアス・モンクです。ディジー・ガレスピーもやってきて、いろいろと試しているうちに、ビバップが徐々に形をとりはじめます。

『ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン』は、録音技師が自分の機材を持ち込んで録音した、ライブ盤です。音源的には質は高く無いですが、当時のクラブの雰囲気が記録されていて貴重です。

クリスチャンは結核を患い、わずか25歳で死去しました。長生きしていたら、バードと肩を並べるくらい称賛をうけていたでしょう。後世のギタリストは、多かれ少なかれ、彼の影響を受けているのですから。

『ミントンハウスのチャーリー・クリスチャン』

Swing to Bop

スィングのためにそうしているのか、リズムは素朴。ギター、トランペット、ピアノの順にソロがあります。やはりギターのソロは素晴らしく、たしかにビバップの片鱗があるようです。リズム楽器も弾き手でこうまで変わるのだというテクニックに目を見張ります。

Stompin’ at the Savoy

レコーディング状況が悪いのが仕方がないのですが、ピアノソロをもっと鮮明に聴きたかったと思わせます。相対的に、エレキギターという楽器の音がいかに大きいか、解ります。ホーンと比べても遜色がありません。

Stardust part 1

メロウなスィングジャズ。周囲の客席のざわめきから、このような曲が箸休めになり、リラックスするために必要だったのだと分かります。ビバップ的なものばかりでは、まだ構成ができなかった過渡期なのでしょう。

Kerouac

ピアノとトランペットの親和性が良いです。トランペットが激しくブローすることもなく、音を大切に吹いているところに好感がもてます。

Stardust Part 2

ピアノは音がきらめいている感じです。そこに、なめらかなホーンが入ってきて、心地よさを演出しているようです。

Up on Tiddy’s Hill

エレキギターがリードを取ると、聴衆が大喜びする様が良いですね。クラブで生演奏されるジャズは、やはり楽しむ音楽なのです。エレキギターとトランペットの掛け合いが楽しくなる曲です。

Guy’s Go to Go

短めの曲だけど、おもわず拍子をとってしまいたくなるほどノリが良い。後半にホーンが入り盛り上がります。

Lip Flips

ホーンが跳ねる感じに対して、エレキギターは落ち着いている。しかし、クリスチャンのテクニックは、20代前半とは思えない、自信に満ちたものに聞こえる。

Down on Tiddy’s Hill

曲がアップテンポになると、客が掛け声をだして喜ぶ様がおもしろい。この曲も、「聴かせる」「躍る」ではなく、跳ねる演奏なのだと思います。

曲の構成から見ると、スィングジャズが流行していた頃の面影がありますね。ところどころにスローな曲を挟んでいるところ、ビバップが刺激が強い音楽であったということが分かるようです。

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