人は高すぎるところには住めない

リラックス

人類がまだ原始的な猿だったころ、その住処は樹冠という、密林の木の上でした。枝と枝とか重なり合い、木から木へと飛び移り、食料を探すことができたのです。地上には恐竜や恐鳥という強力な捕食動物がいましたから、なかなか地上に進出することは叶わなかったわけです。

原始的な我々の先祖が発達させたのは「」です。目を顔の側面から前面に集中させることで、視線の重なりある視野角を取得して、立体視ができるようになります。枝と枝の距離を測るのにとても都合が良かったのです。こうして先祖はなんとか生き延びていました。

高いところから低いところへ降りてきた

人間が二足歩行を始めたのが700万年前ほどです。直立することで手が生まれ、脳が発達します。こうして人間は地上に降りてきて生活をはじめましたが、初期の人類はスカベンジャーとして、おもに動物の死体を漁って食べていたようです。はじめから、霊長類として地上に君臨するような立場ではなかったと言えそうです。

それまで安全であった樹冠を捨ててまで地上に進出したのは、氷河期が関係しているように思えます。氷河期は10万年くらいの周期で訪れています。その間は、草木が減り、生活範囲が熱帯から亜熱帯の範囲に限られてしまうので、生存競争がより激しくなるます。この競争を生き抜くために、あえて地上に進出し移動しながら生活を始めたのではないでしょうか。

更地に寝るよりも、洞窟などに潜むほうが安心できたはずです。しかし、やはり樹冠のほうが安心できたでしょう。自分が野宿することを考えるならば、雨風がしのげること、他の動物に襲われないことが重要だと思うので、すこしでも屋根の下、そして高いところのほうが安心できます。

タワーマンションは行き過ぎている

いくら高いところが安心とはいえ、最近流行りのタワーマンションなどは、行き過ぎているのではないでしょうか。2019年の大雨で武蔵小杉のタワーマンションのインフラが止まってしまったことを思い出します。土地を節約するにしても、人間が階段で登れる範囲の高さのところに住むべきなのかなと考えてしまうのです。タワーマンションのインフラの弱さを見ると、危機感がありますね。

超高層ビルシンドロームという症状があるそうです。人間が20階以上の高いところに居ると、常にめまいがしたり、気分が悪くなる、パニック症状を起こすことがあると言います。高層階はが開けられないのが最大の理由です。人間は、そとの気候と切り離されてしまうと非常にストレスを感じるというわけです。

また、耐震構造などが影響を与えている可能性もあります。地震や強風に強いように、高層ビルはしなやかに揺れる構造になっています。当然、人間が快適に住めるように、その揺れは相殺されるように設計されているでしょう。コインを立てても全然倒れないほどの耐震性はあります。しかし、微妙な揺れというのは、長い間過ごすことには向かないのではないでしょうか。人間がかつて感じたことのないストレスだからです。例えば、飛行機に乗っている間、完全にリラックスできるかといえばそうではないはずです。そのような振動が常に起こっているとすれば、人間は高い場所に住むのは、まだ早すぎるのではないでしょうか。

日本列島改造論

高さが駄目なら、横に拡張すればいい。かつて田中角栄首相が主張した、「日本列島改造論」は、地方と都心を高速のインフラで結ぶということが主旨でした。都会に土地がなければ、地方に住んで、高速の交通で行き来すればよいという、いま考えても非常にゼネコン寄りの意見です。「コンピュータ付きブルドーザ」とあだ名された、田中角栄氏を象徴している計画だったとも言えます。

高速の交通手段というのは、イーロン・マスク氏が建設しようとしている「ハイパーループ」が最先端です。最高時速はなんと1220km。あまりに速いのは、人間に負担が大きすぎてストレスが凄そうですけど。

また、高速ではなくても人間が運転しなければ疲れないという意味では、自動運転システムの確立もキーになるでしょう。とくに大型トレーラーを自動運転安全に輸送できれば、物流の世界が根底から覆るほどのインパクトがあるでしょう。コンテナ自体が自分で判断して、船になったり、車になったりして、目的地に到達するという時代がやってくるはずです。

このような交通手段、物流手段が確立されれば地方に住んでいてもなんの遜色もありません。仕事はテレワークで済まし、物資は再生可能エネルギーを使ったオートメーションで輸送するのがハイテクを使った未来の明るい図です。しかし、近年の水害を見ると、こんなオートーメーション化など、自然災害の大きさに比べたら、非常に弱いインフラでしかありません。明るい未来を実現するためには、もう少し骨太な計画が必要なようです。


いつも読んでいただいてありがとうございます。クリックしていただければ励みになります。いつも皆さまがリラックスしていられるように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました