娯楽がなければ相撲に熱中していたはず

リラックス

大相撲は、2020年秋場所が始まっています。コロナの影響であちこちに考慮しなくてはいけないなか、頑張って興行している努力には頭が下がります。

しかし、相撲を楽しみにしているのは結構一部の人だけになりました。スポーツとしてどれだけの人気があるのか、分かりかねますけど。実際に野球、サッカー、バレーボール、ゴルフなどの人気には、なかなか勝てないのが本当のところかなと思います。

相撲の基礎部分はまだ残っているのか

野球、サッカーは子供のころに漫画を読んだ人たち、プロ野球、Jリーグを観て育った人たちが強い支持基盤になっています。バレーボールの魅力はまだよくわからないのだけど、若いアイドルグループを支持するのと同じようなイメージがあります。バレーボール選手はアイドルユニット的な動きを意識しているように見えるのです。名前を呼ばれてコートに入る時、全員とハイタッチしたりとか、うまくアタックやブロックが決まるとこれもハイタッチしてファンサービスとか。そういうのを観て喜ぶのでしょう。

ゴルフやマラソンの支持層は、自分でもその競技をやった人のような気がします。ゴルフクラブを握ったことがある人は、プロゴルファーがどれだけ凄いのか分かるのですね。マラソンも、走ったことがある人は自分のタイムと比べるとすごい差があることが分かるので、マラソンを楽しく観ていられるのかなと思います。

相撲は、昔はそういう支持基盤があったのでしょう。人間が二人いれば、力くらべができます。組み合って投げ合うという遊びが昔から長く続いていたのです。江戸時代になると相撲のプロリーグもできて、皆が熱中します。そういう基盤があったからこそ、国技相撲は長い間楽しまれていたのです。

今は、相撲にそのような基盤が残っているでしょうか。団塊ジュニアがそろそろ50代にさしかかろうとしている時代です。彼らは何をして楽しんできたのかというと、ファミコン、マンガ、アニメなど、結構な娯楽を楽しめていた時代でした。アイドルブームのはしりのころでもあり、テレビに夢中な子供が多かったのです。わざわざ、公園で取っ組み合いをするような時間はなかったのでしょう。

授業で相撲をやったら相撲は残ったかもしれない

相撲人気の絶頂のころは、若貴、曙くらいのときでしょうか。千代の富士や小錦などの力士がブームになって、若乃花、貴乃花あたりで絶頂になったと思います。このころは、管理人もよく相撲を観ていたような気がします。そんな気がするのは、きっと相撲のニュースをよく観ていたからでしょう。

その後、外国人勢が中心になってきます。モンゴル力士が上位を占めるようになってから、相撲の人気が傾いてきてように思います。ハワイ勢あたりで止めておけばよかったのですが、これも時代ですね。ファン層が思い入れできなくなってきたのです。当時でもうお年寄りだった人たちは、相撲のスポーツ化、国際化についていけなくなります。中高年くらいの層は、外国人ばかりいて面白くない。それだったらサッカーや野球のほうが観ていてオシャレであったのです。若い層は、そもそも相撲を古臭いものと思っていたので観ていないです。かろうじて、同じ世代の力士が大活躍していて、ニュースにもとりあげられるとその人を通して相撲を「再発見」して、しばらくは楽しめていたかもしれません。

そういうファン層をことごとく取りこぼしてきて、相撲は結局、伝統になりました。歌舞伎と同じで、伝統芸能扱いです。これでは、熱心な人やひねくれもの以外の層はなかなかファンになりにくいのではないでしょうか。

ファン層を確保するには、どうすればよかったか。これは、学校の授業に取り込んでいればいいと思います。相撲をもっとファッショナブルにして、ルールをきちんと決めてスポーツにしていればよかったのです。オリンピック競技にもなれるようなスポーツにしていれば、きっとファン層は拡がっていたのではないでしょうか。

そうなると相撲は国技、神技としての威厳が失われてしまうのでしょう。しかし、近代5種の競技のように、強い兵隊のスポーツというようなポジショニングが取れていれば、伝統芸能にまで落ち込まなかったかもしれません。

相撲は興行か、スポーツか、その両方なのか

もともと相撲には「見世物」的な雰囲気があるから楽しいのかもしれません。力自慢の大男たちが、がちんこで勝負を繰り広げるというのは、日常にはないものです。そうした娯楽のほうが強くなったのがプロレスなのでしょう。まさに見世物です。プロレスをスポーツとして観ている人は、そう多くはないと思います。熱中するというのは、そういう興行的な要素がないとダメなのかもしれません。

キン肉マンを好きな人は、相撲を観て楽しめる人かもしれません。お気に入りの力士の贔屓になって、星取表を頭の中で覚えているような楽しみ方をするのが、相撲の本当の楽しみ方なのでしょう。粋ですね。スポーツとして相撲を観てしまうのは野暮なのでしょうか。

興行はビジネスとして数字で表すのが難しい部類になります。しかし儲かるわけですから、ブッカーがいるし、興行の世界はクローズドな世界として成り立つのです。スポーツになると、そのビジネスには数字としてクリアーにすることが求められるようになります。「マネーボール」に出てきたセイバーメトリクスのように、選手の能力を数値で把握することはスポーツの常識になりつつあります。

スポーツ寄りになるなら数値化。興行寄りになるなら、よりドラマチックかつグロテスクな世界観が求められるようになるでしょう。日本の国技、相撲がどちらに行こうとしているのか。もしかすると、どちらにも行かずに中道を貫くのが相撲の本来のあり方なのかもしれません。


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